公務員のための生成AI活用法|業務効率化と安全な使い方を徹底解説

最近、生成AIの進化が目覚ましく、民間企業だけでなく公務員の仕事にも活用されるようになっています。特に、文書作成やデータ整理、住民対応のサポートなど、AIをうまく活用すれば業務効率を大幅にアップさせることが可能です。しかし、公務員が生成AIを使う際には、セキュリティや情報管理のルールを守ることが必須です。誤った使い方をすると、機密情報が外部に漏れるリスクもあります。

この記事では、公務員時代からAIに触れていた私が、公務員向けに 生成AIを安全に活用する方法を分かりやすく解説します。「何から始めればいいの?」という方でも実践できるように、具体的な活用事例や注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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この記事の著者

FPのライト専任講師 ゆーさく

・元市役所職員
・公務員在職時にファイナンシャル・プランニング(FP)技能士を取得
・FPのライト専任講師を務めるほか、日本FP協会支部活動にも参加し、FPの普及活動を行う。
(AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士)

生成AIとは

生成AIとは

生成AI(Generative AI)は人工知能の一種で、大量のデータを学習し、テキスト、画像、音声、動画などのコンテンツを自動生成する技術です。近年では、チャットボットやデザイン、プログラミング支援など、多様な分野で応用が広がっています。

AIで公務員の仕事を効率化!具体的な活用法

AIがますます進化し、公務員の仕事にも役立つようになっています。特に、事務作業の効率化に大きな効果があります。例えば、以下のことがAIで簡単にできるようになります。

書類作成のサポート:議事録や報告書を自動で作成
公文書の生成・校閲:起案文や答弁書などを自動で生成・校閲
問い合わせ対応:住民からの質問にAIが自動で回答(チャットbotなど)
スケジュール管理:会議の日程調整やリマインドを自動化

現在も勤務している私の同期から聞いた話では、会議がオフライン中心であったり紙媒体での業務進行が多いとのことです。そこで、業務の一部をAIに任せることで、皆さんは別の業務に集中することができます。

たとえば、ChatGPTを使うだけで以下のようなVBAコードも一瞬で生成することができます。

例:ボタンを1回クリックするだけでExcelを自動でPDF化し、プレビュー表示させるVBA

公務員向けオススメAIツール

それでは、私がおすすめする公務員向けの生成AIツールをご紹介します。

ChatGPT

まずは何といってもChatGPT。2022年11月のリリース以降瞬く間に世界中に広がりを見せ、現在ユーザー数は4億人を超えるとされています。

その特徴は何といっても広い守備範囲。文章生成はもちろんのこと、画像や表、プログラミングなど、幅広い用途に利用できます。

私もChatGPTは今でも毎日触れており、用語の検索やアイデア出し、簡単なコーディング修正など幅広い用途で使用しています。

タスク機能(有料版限定、2025.3.3現在)

ChatGPTの有料版にはタスク機能が搭載されています。
これは、あらかじめユーザーが日時や曜日、頻度を指定することで自動で作業が実行される機能です。

これを応用させることで、朝食の献立やニュース情報、朝礼や朝の会で話すネタなどを自動で通知してくれるので便利です。

(例)
・毎朝6時に朝食の献立を通知して
・毎朝7時に日本の最新の経済ニュースを10個選定し、要約して通知して

Microsoft Copilot

Microsoft Copilotは、名前の通りMicrosoftが提供するAIツールです。ChatGPTと同様にプロンプトを入力すると返答してくれる仕様は同じですが、Copilotは主に業務効率化に特化している点が特徴で、Microsoft 365(WordやExcel、PowerPoint、Outlook、Teamsなど)と連動できます。

公務員の皆さまなMicrosoftを使用しているケースが多いため、既に使ったことがある方もいるかもしれません。

公務員専用AIエージェント「マサルくん」

出所:公務員AIマサルくん

​公務員専用AIエージェント「マサルくん」は、行政職員の業務効率化を支援するために開発された生成AIツールです。​一般社団法人日本DX地域創生応援団(旧名称:デジタル田園都市国家構想応援団)によって提供されています。

マサルくんは国が発行する各種白書や基本計画などの公文書を学習させており、その高い正確性と信頼性を兼ね備えた点が特徴です。

メール文、起案文、答弁書などの生成に特化しており、まさに公務員専用AIと言っていいサービスです。

自治体AI zevo(ゼヴォ)

出所:自治体AIzevo

zevoは、宮崎県都城市とシフトプラス株式会社が共同開発した日本初のLGWAN環境下で使える生成AIです。LGWAN(エルジーワン)とは自治体が安全に情報をやり取りするためのネットワークで、簡単に言うと、通常のインターネットよりも高いセキュリティが特徴です。

こうした高いセキュリティ環境で動作するzevoには、他の生成AIには無い特徴があります。

  • 個人情報が入力された際にアラートやマスキングが施される
  • 生成AIの学習データに利用されない

※zevoはLGWAN環境で使用できるAIのため、操作画面などはわかりません。

自治体が導入する生成AIツール

総務省「自治体における生成AI導入状況(令和6年7月5日版)」によると、GPT-3.5が最も使用され、実証実験では⾃治体AI zevo(ゼヴォ)が最も使用されているようです。

出所:総務省「自治体における生成AI導入状況(令和6年7月5日版)」

どの生成AIを使うべきか

上の図だけでもたくさんの生成AIがありますが、当然それ以外のも多数リリースされています。そのため、「結局どの生成AIを使うべきかわからない」という方も多いと思います。

先に結論から申しますと、使用制限が無い限りはChatGPT一択で差し支えありません。高性能なのは皆さんもご存じのことと思いますが、テキストや画像生成、VBAコードなど公務員の仕事に必要なことは一通り提示してくれるからです。

ただし、ChatGPTも完全無欠ではなく、例えばリアルタイムな情報(今日の天気、スポーツの試合結果など)はChatGPTで提供することができませんし、画像生成もイメージとは程遠いクオリティになることがしばしばです。

そのため、ChatGPTをメインで使用し、その中で自身で足りないと感じた時に他の生成AIを使用するという姿勢で間違いないと思います。

生成AI利用時に情報漏洩させない方法

ChatGPTなどの生成AIはユーザーが入力した質問事項を学習し、蓄積されたデータなどをもとに答えを提示するように設計されています。そのため、個人情報や機密情報を入力してしまうと、気づかぬうちに情報漏洩が生じることがあります。

自治体での情報漏洩防止に向けた動きとして、横浜市が2025年1月にDeepSeekの使用を禁止したと発表したことが記憶に新しいです。DeepSeekは中国のディープシーク社が開発した生成AIですが、中国政府への情報漏洩などの懸念が生じたことを理由に、国内外を問わず使用に制限をかける動きが見られています。

このように、AIの使用と情報漏洩リスクはセットで考える必要があります。生成AI利用時の情報漏洩を防ぐ方法として以下が挙げられます。

個人情報や機密情報を入力しない

最も重要かつ基本的な方法は、「個人情報や機密情報を入力しない」ことです。これは徹底して意識すべきことです。私が市役所職員だった2022年にリリースされたChatGPTは、個人情報等を一切入力せずにExcelのVBAコードの生成に使用していました。

今でも業務や日常生活の場面で様々なAIに触れていますが、原則として個人情報などは入力しません。「原則として」と表現した理由は次にご紹介します。

ChatGPTの一時チャット機能を使用

先ほど「原則として」と表現した理由は、生成AIの中には、履歴を残さないように設定できるものがあるからです。ChatGPTの場合は一時チャット機能がこれに該当します。

一時チャット機能は、ChatGPTとの会話の履歴を学習させないようにする方法で、情報漏洩を防ぎながらChatGPTを使用することができます。

STEP

ChatGPTにログイン

STEP1 ChatGPTにログイン
STEP

画面左上にあるChatGPTのモデル選択欄をクリックし、一時チャットをオンにする

STEP2 画面左上にあるChatGPTのモデル選択欄をクリックし、一時チャットをオンにする
STEP

一時チャットモードに変更

STEP3 一時チャットモードに変更

ただ、この記事を読んでいただいている方の多くが公務員、または公務員を目指す方が大半だと思います。そのため、このような履歴設定ではなく個人情報・機密情報を入力しないことを徹底する意識の方が重要だと思います。

公務員専用AI(zevo、マサルくん)を活用

公務員として勤務するかたは、ぜひ公務員専用AIを活用してください。先ほど、どの生成AIを使うべきかという内容に対して「ChatGPT一択」と言いました。これは間違いありません。しかし、それはあくまで何を使用したらよいかに迷った場合の話です。公務員として勤務する皆さまは、公務員専用AI(zevoやマサルくん)を活用しましょう。

公務員専用AIを推奨する理由は、学習データに利用されない点と公務員の業務に特化している点です。公務員の業務は多岐にわたる一方で、独自の文化やルールなども色濃くあります(公務員を退職して、とても痛感しています…)。

そのため、皆さまが情報漏洩などを気にせず安心して業務効率化させるのであれば、公務員専用AIの活用はオススメです。

まとめ

🔹 AIを活用すれば、公務員の仕事はもっと効率化できる!
🔹 ChatGPT・マサルくんを上手に使い分けよう!
🔹 セキュリティを意識しながら、安全に活用することが大事!

AIを正しく使えば、仕事の負担を減らしながら住民サービスの質を向上させることができます。これからの公務員には、AIを活用するスキルが求められる時代です。この記事を参考にして、安全で効果的なAI活用を始めましょう!

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