FPのライト専任講師のゆーさくです。
今回は「公務員の仕事に役立つ仕事術」というテーマでご紹介します。
現在、ファイナンシャル・プランナー(FP)として活動しておりますが、FPというのは「顧客の将来の目標や夢を、お金の面からサポートする」お仕事です。
一見すると今回のテーマと関連が無いように思えますが、仕事のテクニックによって労働時間を効率化させ、余った時間で資格取得や新しいことに挑戦することができ、結果的にお金が豊かになる可能性があります。
そこで本記事では、私が実践したことを交えて仕事術・テクニックをご紹介していきます。ぜひ最後までお読みのうえ、定時帰宅を目指しましょう!
ツール編
本記事ではツール編と習慣編の2つに分けてご紹介しています。まずは、ツール編です。
サブモニター(ディスプレイ)の導入
まずはサブモニターの導入です。これは働く人全員が導入してほしいくらいオススメします。これがあるだけで、仕事の効率化に大きく貢献できます。
公務員に限った話ではありませんが、パソコン作業の際には複数のファイルを開きながら業務を進めていると思います(WordファイルやExcelファイル、ブラウザなど)。その際、パソコン画面1つのなかでウィンドウを切り替えるというのが本当に手間が掛かります。
そこで大きく重宝するのがディスプレイです。
一部自治体は公費で支給してくれますが、ほとんどが私費(自腹)で準備する必要があると思います。そのため、予算や置くスペースなどを検討したうえで導入すると良いでしょう。
とはいえ、ディスプレイは5,000円~15,000円程度でそれなりのものが用意できますので、だれでも導入できるかと思います!
ちなみに私は、普段PC画面と合わせて3画面で作業しています。「記事の執筆を右のディスプレイで行いながらPCでプレビューを表示し、左のディスプレイで調べものをする・・・」といった具合です。
トラックボールマウスの導入
ディスプレイとセットでおいてほしいのが、このトラックボールマウスです。
トラックボールは、親指を使ってボールを転がすことで、カーソル移動を行うマウスです。一言で表すと、手首や腕を動かす必要が無いマウスです。
特に事務職は1日で6~7時間はパソコン作業をするため、少しでも体への負担を減らしたいところ。トラックボールマウスは導入して数年経過しますが、手の疲れが無くなり、PC作業が苦にならないと感じました。
ちなみに、トラックボール型は様々な形状がありますが、最初は親指でボールを動かすタイプが慣れやすくおすすめです。
参考までに私が長年使用するマウスをご紹介しますので、ぜひ家電量販店などでチェックしてみてください!
ChatGPTなどのAIの活用
ツール編最後はChatGPTなどのAIの活用です。今や生成AIは様々な業務やシステム、ツールなどに活用され、我々の生活に無くてはならないものになりました。一部の自治体ではチャットボットを導入し、問い合わせ対応を自動化したりと普及が進んでいます。
私が公務員だった2022年11月にChatGPTが誕生しました。その時からVBAや関数の生成にChatGPTを使っていたため、当時よりも更に進化している生成AIを可能な限り活用しましょう!
【注意事項】
以下、オススメする具体的なツール名をご紹介します。
しかし、ご紹介するツールはGoogleアカウント等にてログインが必要なものが多いです。業務で使用する際は、必ず上司や関係部署などに事前に確認・許可をとってから使用してください。
確認・許可を取らずに使用した場合に生じたトラブルの責任は一切負いかねます。
GPTExcel
公務員の仕事ではMicrosoft office(Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど)の使用機会が非常に多く、中でもExcelは上司への説明資料や計算ツールとして多用されています。
しかし、関数やVBAを苦手とする方も多いうえに、研修の機会や周りの先輩方から教わる機会も少ないのが現状です。そこでおすすめしたいのがGPTExcelです。
これは、作りたい関数などを文章で打ち込むと、自動で関数やVBAなどを生成してくれる神ツールです!
Googleアカウントがあれば1日4回まで誰でも無料で利用できるため、関数やVBAがわからないときに重宝します!
Notion AI
Notion AIは、メモ機能や開発機能まで幅広い機能を有するNotion(ノーション)に備わっているAI機能です。ご自身が作りたいものをイメージしながらNotion AIに指示を出すことで、仕事の効率化を図ることができます(AIへの指示出しや質問のことを「プロンプト」と言います。)。
活用例
・既存の業務マニュアルがごちゃごちゃしているから、誰でもわかりやすく整理したい。
・上司への提案資料や補足資料のたたき台を作りたい。
・日々のタスク管理表(To Doリスト)を作りたい。
など
すぐに思いつく活用例を挙げましたが、これだけでも事務作業の中にAIを活用する余地は多分にあることがお分かりいただけたと思います。
なお、私はファイナンシャルプランナーとして日々知識をインプットしていますが、インプットの際にNotion AIを用いて要点を整理したり、新たな発見があった時にメモしたりしてすぐ見返せるようにしています。
ちなみにNotion AIを使う際に1つアドバイスをさせていただくと、プロンプトは「具体的かつ明瞭な内容」にしてください。
プロンプト例
【NG】
〇〇のマニュアルを作成して。
【OK】
〇〇のマニュアルを作成して。
制約:
・各項目最大1000文字以内に収めてわかりやすくする。
・マニュアル構成は大項目、中項目、小項目の3階層で作成。
業務フロー:
・×××(目安〆切〇月×日)
・×××(目安〆切〇月×日)
・×××(目安〆切〇月×日)
…などです。
ただし、上記プロンプトを送る前の段階で、AI側にあなたの業務の中身を学習させる必要があります。
(いきなりAIに上記プロンプトを送っても、AIはあなたの業務を知りませんので…)
ギガファイル便
公務員のかたは、時として大容量のデータを相手方に送る場面があります(図面などを扱う土木技師や建築技師などのかたは特に多いと思います)。このときに役立つのがギガファイル便です。
これは事前の登録などや料金は一切不要にも関わらず、1ファイルあたり最大300GBまで転送できる神ツールです!
JPG(ジェイペグ)やPNG(ピング)などの画像はもちろん、WordやExcel、PDFなどの資料やMP4などの動画など幅広いファイルに対応しています。
ファイルをドラッグアンドドロップすると転送用URLが生成されるので、このURLを相手方に送付するだけで開封ができます。
(豆知識)JPGとPNGの違い
業務中に画像ファイルを使う場面も多いと思いますが、このときにJPGとPNGの大きく2種類があります。実務上、影響は少ないのでどちらを使っても問題ないのですが、この2つには大きな違いがあります。
【主な違い】
カラーモード…JPGはCMYK(色の三原色&黒)/PNGはRGB(光の三原色)
容量…JPGは軽い/PNGはJPGよりも重くなりがち
透過…JPGは不可/PNGは可能
主な用途…JPGは写真やフルカラー印刷が得意/PNGはイラストやロゴ、背景透過の画像の出力が得意
TinyJPG
TinyJPGは画像の容量を軽くするツールです。これもギガファイル便と同様に事前の登録や料金は一切不要で、画像ファイルをドラッグアンドドロップするだけで容量を軽量化できます。
更に、圧縮したファイルの画質が劣化しないのです!
私が公務員だった頃はフォルダの容量が部署ごとに管理されており、年度後半には課全体で不要なファイルを削除するなどをしていました。
写真などは特に容量が重くなりがちですが、TinyJPGを一度通すだけで大きく容量を軽くできるため、ぜひ積極的に導入してみてください!
(ファイルによっては90%ほど容量を軽量化できます。)
TinyJPGという名前ですが、PNGファイルも軽量化できます。
tl;dv
tl;dv(ティーエルディーブイ)はzoomやGoogle Meetと連携し、オンライン会議の文字起こしや議事録を自動で作成してくれるツールです。
ただし、私も使用することはありますが有料プランでないと録音データのダウンロードができないため、公務員のかたが使用するには担当部署に相談しましょう。
※無料でも文字起こしや録画は可能です。ただし誤字脱字も多いので、その際はChatGPTなどに誤字脱字の修正を頼んだりすると良いでしょう。
習慣編
続いては習慣編です。特別な知識は全く要らず、効果てきめんな仕事術を2つご紹介します。
作業スペースに物を置かない
私は、普段の作業スペースに極力物を置かない(あるいは視界に入れない)ようにしています。
※ディスプレイのところに貼った写真の通り、机には画面とPCしか置いていません。
公務員時代は書類を多く扱う担当だったため、近くに物を置いていたのですが、書類の多さにストレスを抱えるシーンがありました。物が視界に入ると集中力が削がれ、皆さんが思っている以上に気疲れしますよ。
ですので、できるかぎり視界に物は置かないような意識が必要です。とはいえ、公務員のかたは近くに簿冊(ぼさつ※)を置くことが多いと思いますので、机上ではなく、足元や机の引き出しにしまい、視界に入らないように工夫するだけでも効果があります。
ただし、公務員をはじめ個人情報や重要書類を扱うケースがあるため、周りに迷惑が掛からないよう注意してくださいね。
※簿冊って私の古巣でよく使っていた言葉なのですが、他の公務員の皆さんはいかがですか…?笑
バランスボールに座る
最後は、少し変わり種のバランスボールをご紹介します。
実は2021年末に椎間板ヘルニアを患っており、その影響で業務に大きな支障を受けました。座っていると体がしびれ、パソコンと向かい合う時間が多い公務員にとってはかなり苦痛だったことを記憶しています。
この状況を何とかしなければならないと模索したその時、家にバランスボールがあることを思い出しました。そして、何となく腰かけたところ、しびれが緩和されたことに気づきました。バランスボールは正しい姿勢を強制する器具ですので、ヘルニアの私と相性がよく、早速職場に持っていきました(当時、周りの先輩方からは少し話題になっていたみたいですが・・・)
また、合わせて気づいたのが、しびれが緩和されるというメリットに加えて、集中力が増し、効率よく仕事ができたと感じました。良い姿勢は良い仕事につながる証拠ですので、ぜひ皆さまも騙されたと思って取り入れてください!
バランスボールの導入自治体が多数⁉
姿勢改善や集中力アップが期待できることから、複数の自治体ではバランスボールでの執務を導入しているところがあります。
・和歌山県田辺市
https://www.sankei.com/article/20220328-BWXQ5BVFZ5PA3JJJDEV2HLKL74
・神奈川県鎌倉市
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kisya/data/2023/20230904.html
・千葉県習志野市
https://www.city.narashino.lg.jp/soshiki/shogai_supotsu/oshirase/balanceball.html
※2021年にはバランスボールを使って仕事をしていたので、私が先進事例になります。笑
仕事術は手段であり、目的ではない
今回は、私が実際に取り入れていた仕事術のうち明日からでも取り入れられるようなものをご紹介しました。
仕事を効率化する術は他にもたくさんありますし、場合によっては今回ご紹介したものが全員にマッチするかはわかりません。しかし、ハードルも低いのでぜひ検討してください。
ちなみに、最後に1つだけお伝えしますが、ご紹介したものはすべて手段であり、取り入れること自体が目的ではありません。たまにゴリゴリに難しいVBAや見たことのない関数を時間を掛けて構築する人がいますが、構築そのものが目的になってしまい、本来の業務効率化という目的からずれてしまう可能性があります。
目的を忘れずに、効率よくお仕事に向き合ってもらえたらと思います!
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