FP3級合格後の目標として真っ先に浮かぶのがFP2級の取得です。
しかし、FP2級は3級よりも難易度が格段に上がるほか、5種類ある実技試験の中から自分に合ったものを選ぶ必要があり、困惑する方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事でFP2級の実技試験の正しい選び方と、それぞれの試験対策について解説していきます。
FP2級の5種類の実技試験
FP2級の実技試験は、次の5種類から選択して受験します。
| 日本FP協会 | 金財 |
|---|---|
| 資産設計提案業務 | 個人資産相談業務 |
| 生保顧客資産相談業務 | |
| 損保顧客資産相談業務 | |
| 中小事業主資産相談業務 |
どの実技試験を選んでも合格ラインや試験時間、資格の価値などは同じなため、いかに自分に合った実技試験を選ぶかがポイントになります。
【FP2級の実技試験の選び方】原則、FP3級で受験した実技試験と同じ科目を選ぼう

今回の記事のメインであるFP2級の実技試験の選び方について、先に結論からお伝えすると、FP3級の時に受験した実技試験と同じものを選びましょう。
理由は、出題の流れや傾向を3級の時点で体感しているからです。
難易度や出題方法は3級の時と異なる部分はありますが、基本的な試験の流れなどは変わりません。
したがって、FP2級の実技試験は原則として3級と同じ実技試験の科目を選択するようにしましょう。
ただし、以下のような場合は別の実技試験を選ぶこともあります。
- FP3級を保険顧客資産相談業務で合格し、FP2級を生保顧客資産相談業務で受験する場合
- FP3級を保険顧客資産相談業務で合格し、FP2級を損保顧客資産相談業務で受験する場合
- 中小事業主資産相談業務で受験する場合
例外①:FP3級を保険顧客資産相談業務で合格し、FP2級を生保顧客資産相談業務で受験する場合
FP3級では、保険を中心とした保険顧客資産相談業務がありましたが、FP2級からは「生保顧客資産相談業務」と「損保顧客資産相談業務」に分かれます。
名前の通り、前者が生命保険分野に特化した実技試験で、後者が損害保険分野に特化した実技試験となります。
主な受験者層としては、保険会社に勤務し、生命保険(終身保険、定期保険、養老保険など)を担当する会社員の方などが中心となります。
ただし、全ての問題が生命保険に関するものではなく、保険以外にもFPとして幅広い知識を有しているかを問うような知識問題も出題されるので注意しましょう。
例外②:FP3級を保険顧客資産相談業務で合格し、FP2級を損保顧客資産相談業務で受験する場合
上記①と同じで、FP3級を保険顧客資産相談業務で取得し、損害保険関連業務に従事する方は損保顧客資産相談業務を選ぶケースが考えられます。
主な受験者層としては、保険会社の中でも損害保険(火災保険や地震保険、自動車保険など)を担当する会社員の方が中心となります。
損保顧客資産相談業務においても、全ての問題が損害保険に関するものではなく、保険以外にもFPとして幅広い知識を有しているかを問うような知識問題も出題されるので、注意が必要です。
なお、現在はFP2級でCBT方式(パソコン受験)が導入され、一部日程を除き通年での受験が可能になっていますが、それまで損保顧客資産相談業務は毎年9月の年1回しか受験することができませんでした。
したがって、試験情報が圧倒的に少ないため十分な期間を設けて試験対策を行う必要があります。
例外③:中小事業主資産相談業務で受験する場合
FP2級から新たに中小事業主資産相談業務が追加されます。これは他の4種類の実技試験とは異なり、中小事業主の資産運用や事業承継などを中心に問われます。
将来的に、経営者や法人などに向けてコンサルティングを考えている方におすすめです。
なお、CBT方式導入前の中小事業主資産相談業務は毎年1月と9月の年2回しか受験することができませんでした。
したがって、中小事業主資産相談業務を選択する場合も、十分な期間を設けて試験対策を行う必要があります。
実技試験ごとの出題例と対策方法
資産設計提案業務(日本FP協会)
日本FP協会の実技試験は大問10題・設問数は40問で構成されております。
金財(きんざい)よりも設問数が多く、幅広い範囲から出題される傾向があります。
試験範囲は学科試験とほぼ同じで、様々な相談シチュエーションを学ぶことができるため、FP2級の受験者のほとんどが資産設計提案業務を選択しています!
出題例

対策方法
資産設計提案業務は、6種類の科目(ライフプランニングと資金計画、タックスプランニング、リスク管理、金融資産運用、不動産、相続・事業承継)からバランスよく出題される点が特徴です。
そこで、過去問を複数年分解き、特に出題されることが多い「6つの係数」、「キャッシュフロー表の読み方」などを重点的に学習しましょう。
個人資産相談業務(金財)
個人資産相談業務をはじめとする金財の実技試験は、事例形式問題が5問出題され、各事例ごとに3問ずつ計15問が出題されます。
日本FP協会よりも設問数が少ない分、より深い知識まで必要とする点が特徴です。
なお、個人資産相談業務は日常生活にも役立てやすい問題が多く、金財の実技試験の中で最も受験者数が多い実技試験です。
出題例

繰り返しますが、個人資産相談業務は多くの受験者が選ぶ実技試験です。
出題例のように、年金の計算問題や公的制度など幅広い範囲から出題されます。
対策方法
個人の生活に関連した知識を問われるため、FP3級で得た基礎を確実にしましょう。また、出題例のように計算問題も出題されるため、計算問題を繰り返し解いて慣れておきましょう。
その他、個人に関する問題が中心のため、ぜひご自身が問題の登場人物になったつもりで学習することで、より生活に役立てる能力が身につくのでおすすめです。
生保顧客資産相談業務(金財)
「生保」という言葉からも連想される通り、生命保険に関する問題がメインで出題されるのが生保顧客資産相談業務です。
しかし、医療保険や公的年金、税金に関する問題も出題されます。
出題例

単に生命保険のことを問われることもあれば、出題例のように、生命保険から受け取る退職金に関する税金のルールについて問われることもあります。
対策方法
生命保険の問題で欠かせない必要保障額の算出は確実に理解する必要があります。
また、保険会社として勤務する方は公的年金制度にも精通しておくことで顧客から信頼を得ることができるため、生命保険の関する知識だけでなく公的制度全般の理解を深めておきましょう。
保顧客資産相談業務(金財)
損害保険をメインに扱うのが損保顧客資産相談業務です。
前述の通り、CBT方式導入前は年に1回しか受験する機会が無かったことから、過去問対策などが難しい点が特徴にあります。
出題例

損害保険の事例問題を中心に出題されますが、出題例のように損害保険に派生して税金やその他ルールについても出題されます。
対策方法
他の実技科目よりも情報が少ない分、市販テキストに載っている損害保険の知識は一通りマスターしておきましょう。
また、保険分野と関連がある「タックスプランニング」と「相続・事業承継」を一緒に理解すると様々な問題への対応力を養うことができます。
中小事業主資産相談業務(金財)
FP2級から新たに追加された「中小事業主資産相談業務」についてです。
中小事業主の経営状況や保有資産、税務に関する問題を中心に扱われます。
出題例
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出題例のように、中小事業主に対するコンサルを想定した問題が出題されます。
中小事業主に関する問題は、日常の学習では身につきづらく、他の4つの実技科目よりも難しいと感じる方も多いです。
対策方法
FP3級で学んだ知識を確実に理解したうえで、中小事業主の経営判断等に必要な財務諸表(特に貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書など)の読み方、財務分析(売上高営業利益率や流動比率、ROEなど)の計算などを理解できるよう演習問題を重ねましょう。
FP2級の実技試験の合格点
FP協会(資産設計提案業務)と金財(個人資産相談業務など)は、点数が異なります。
しかし、いずれも合格点は6割以上です。
| FP協会 | 金財 |
|---|---|
| 100点満点中60点以上 | 50点満点中30点以上 |
※配点は非公開となっています。
まとめ
FP2級から実技試験の種類も増え、中には「実技試験をどれにしよう」と迷ってしまう方もいるかもしれませんが、どのような目的でFP2級を取得するかをイメージすればすぐに決めることができます。
もし決まらない方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。



