FP資格取得に必要な費用は?| 目安となる料金を試算してみた

FP資格取得に必要な費用は?| 目安となる料金を試算してみた

 ファイナンシャルプランナー(FP)2級と3級は、幅広いお金の知識を習得できる資格として人気が高まっています。お金の知識は私たちの生活や仕事に役立てることができるわけですが、FP資格を少しでも安く取得したいと感じる人も多いはず。

そこで、FP資格を取得するためにはどのくらいの費用が掛かるのかを独自で試算しましたのでご紹介します。

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この記事の著者

FPのライト専任講師 ゆーさく

・元市役所職員
・公務員在職時にファイナンシャル・プランニング(FP)技能士を取得
・現在は、FPのライト専任講師を務めるほか、日本FP協会支部活動にも参加し、地域独自のFPの普及活動を行う。
(AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士)

FP資格の種類

FP資格には国家資格であるFP1級、2級、3級と、民間資格であるCFP、AFPの計5種類あり、それぞれ取得までの費用が大きく異なります。

国家資格民間資格
FP1級、2級、3級
※1級が最も難しい
CFP(FP1級相当)、AFP(FP2級相当)

FP資格に必要な費用

FP資格に必要な費用

FP資格を取得するためには日々の学習が必要不可欠です。それぞれの資格を取得するためにはおよそいくら必要かを見てみましょう。

予備校や塾の場合、会社やプランによって費用が大きく異なるため、本記事でご紹介する費用は全て独学学習等を想定しています。

受検料

まず、確実にかかるコストとして受検料があります。当然ながら試験に合格しなければ資格を得ることができませんので、受検料について認識を持っておきましょう。

FP3級

FP3級の受検料は学科試験・実技試験それぞれ4,000円で、両方受ける場合は8,000円になります。

なお、FP協会と金財で受検料に違いはありません。

FP2級

FP2級の受検料は学科試験が5,700円、実技試験が6,000円です。両方受ける場合は11,700円になります。

なお、FP協会と金財で受検料に違いはありません。

FP1級

FP1級の受検料は少し特殊で、以下の表の通りになります。

FP協会金財
学科試験8,900円
実技試験20,000円28,000円

学科試験は金財だけ扱っている点や、実技試験もFP協会と金財とで受検料が異なる点が1級の特徴です。

なお、FP1級の場合も学科試験と実技試験を両方合格することで資格を得ることができます。よって、基本的には安くても28,900円が掛かるということになります。
CFP認定者などは学科試験が免除される措置がありますが、本記事では割愛します。

AFP

AFPの認定を受けるためには、FP2級に合格した後にAFP認定研修(技能士課程)を受講・修了する必要があります。よってAFP専用の試験はありません。

「AFP認定研修」とは日本FP協会が認定するカリキュラムを指し、現在約10社ほど登録されています。そのため各社料金が異なりますが、最も安価なものは8,800円です。

単にAFPの認定を目的とするのであれば、8,800円のカリキュラムで問題ありません。実際、私も8,800円のカリキュラムでAFPの認定を受けました。

2025年4月現在、最も高い受講料は24,300円でした。
ただし、添削回数やカリキュラム内容は各社異なるため、高いから選ばない方がよいというわけではありません。ご自身に合った研修を受講しましょう!

CFP

CFP認定資格を得るためには、まず、毎年6月と11月に行われるCFP資格審査試験の6課目全て合格する必要があります。受検料は以下の通りです。

受検料
1課目受検6,600円
2課目受検9,900円
3課目受検13,200円
4課目受検16,500円
5課目受検19,800円
6課目受検23,100円

少しでもお得に受検するために6課目まとめて申し込む方法もありますが、6課目を一発合格できる確率はおよそ5~10%程度と言われており、そのハードルは非常に高いものです。1課目でも合格すればAFP資格を保持し続ける限り失効することはありませんので、個人的には2課目または3課目ずつ受検することをオススメします。

よって、2課目ずつ受検する場合は29,700円(9,900円×3回)、3課目ずつ受検する場合は26,400円(13,200円×2回)が本記事での受検料の目安とします。

余談ですが、CFP資格審査試験の6課目全てに合格した後は、CFPエントリー研修(無料)を受講・修了することでCFP資格者となります。

テキスト・書籍代

続いて、学習に必要なテキスト代について見ていきましょう。なお、ここでは市販のテキストを想定しています。

FP3級

FP3級のテキスト代はおよそ1,600円~1,800円程度です。ちなみに、同じ価格帯で問題集も販売されていますが、個人的には購入しなくても良いと考えています。

過去問が無料で公開されており、3級の場合はテキスト+過去問で十分に合格圏内に入ることができるためです。

FP2級

FP2級のテキスト代はおよそ2,000円~2,500円程度です。こちらも3級と同様に、過去問+テキストで合格圏内に入ることができるため、問題集は無くても良いです。

しかし、当然ながら3級よりも出題範囲が広くなり、近年の問題は難化傾向にあるため、確実に合格したい方は別冊の問題集があると良いかもしれません。

FP2級と3級の合格率や受検にあたっての注意点などは別の記事でご紹介していますので、合わせて情報収集していただければ幸いです。

FP1級

FP1級のテキスト代はおよそ4,000円~5,000円程度です。

ちなみに私は現在、CFP認定に向けて活動しております(2025年4月現在、3課目まで取得しました!)。その後、FP1級取得を目指しているため学科試験免除を受ける予定です。

そのため、FP1級に関しては他のブログなどを参考に情報収集をお願いします。ただ、1級は難易度が高くなるため、個人的な感覚としては問題集も購入した方が良いかと思います。

AFP

AFP専用の試験が無いため、割愛します。

CFP

CFP認定試験のテキスト代はFP協会のものが1課目あたり2,530円で販売されています。なお、CFPに関しては確実に過去問や問題集を購入した方が良いと思いますので、別冊の問題集を購入しましょう。

問題集は、主にFP協会が販売する問題集が1課目あたり770円のものとFPK研修センター株式会社が1課目あたり3,900円の2種類がメジャーです。
※後者の方が問題数などが豊富で、私自身はFPK研修センターの問題集を使用しています。

つまり、6課目分のテキスト代は38,580円(=(2,530円+3,900円)×6課目)になります。

テキストはできるだけ最新のものを購入しましょう。
FPの試験は毎年改正され、「金額や数値が改定される」、「制度そのものが撤廃される」ことは当たり前に発生します。

入会金(AFP、CFPのみ)

AFPとCFPはFP協会に登録する必要があるため、入会金が掛かります。AFPの入会金は10,000円CFPの入会金は5,000円になります。

年会費(AFP、CFPのみ)

また、AFPとCFPは年会費が掛かります。AFPの年会費は12,000円CFPの年会費は20,000円(FP協会年会費12,000円+CFP会費8,000円)です。 

FP資格に必要な費用まとめ

FP資格に必要な費用まとめ

これまでの内容を踏まえて、FP資格取得に必要な費用をまとめました。

FP3級取得に必要な費用

FP3級取得には、およそ10,000円~が必要!

※受検料+テキスト代(会場までの交通費や問題集などを除く。)

FP2級取得に必要な費用

FP2級取得には、およそ14,000円~が必要!

※受検料+テキスト代(会場までの交通費や問題集などを除く。)

FP1級取得に必要な費用

FP1級取得には、およそ40,000円~が必要!

※受検料+テキスト・問題集代(会場までの交通費などを除く。)
※CFP認定者などに適用される学科免除を除く。

AFP取得に必要な費用

AFP認定を受けるためには、およそ30,800円~が必要!

※AFP認定研修費用+入会費+年会費
(AFPに登録するとすぐに入会費と年会費が徴収されるため、合算金額をご紹介しています。)

CFP取得に必要な費用

CFP認定を受けるためには、およそ90,000円~が必要!

※受検料+テキスト・問題集代+入会費+年会費(会場までの交通費などを除く。また、受検料は3課目受検を基に試算。)

本記事で紹介した金額をベースに試算しています。実際に掛かる費用はご自身の使用するテキストやカリキュラムなどによって異なります。

FP資格は何級まで取得した方がよい?

FP資格は何級まで取得した方がよい?

FPとはお金の知識を持つプロでありながらも、資格取得にはそれなりの費用が掛かることがわかりました。

ここで1つ疑問に感じた人もいるかもしれません。それは、「FP資格は何級まで持っていると良いのか」です。

自身の生活に役立てたい場合

ご自身の生活に役立てたい場合は、「FP3級」だけでも十分効果を発揮します。FP3級から年金や所得税の仕組み、保険商品の特徴、金融商品の種類など幅広く知ることができます。また、少子高齢化の時代背景から、ここ近年制度が整備されている「相続」についても知ることができます。

ちなみに私は「自分の保険の見直しに役立てたかった」からFPを取得しました。理由は様々ですが、3級から生活に役立てることができるのがFP資格の魅力とも言えます。

就職や転職の武器にしたい場合

就職や転職の武器にしたい場合は、できれば「FP2級以上」は欲しいところです。理由としては、2級から財務諸表の理解や法人税など、法人関連の知識が問われるからです。

しかし、FP3級しかお持ちでない場合も問題ありません。先ほど触れたように3級から様々なお金の知識を得ることができるため、最低限の知識を持っていることをアピールできます。

ちなみに余談ですが、「FP試験は意味ない」「FP3級は役に立たない」などの書き込みもあり、私も以前直接言われたこともあります。むしろなぜ意味がないと感じるのかを教えてほしいくらいですが、そのようなノイズは気にせず履歴書や面接の場でアピールしましょう!

履歴書にFP3級について書く際の注意点は別の記事で紹介していますので、合わせてお読みください。

FPとして活動したい場合

FPとして活動したい場合は、できれば「FP2級+AFP以上」は欲しいです。FP業務はいずれも最新の情報をキャッチアップしていることが求められます。そのため、更新義務があるAFPやCFPを持っておくと、最新情報を持っていると対外的に示すことができます。

さいごに

FP資格の取得には、受検料や教材費、認定研修費用、年会費など、資格の種類や学習方法によって異なる費用が発生します。​本記事で紹介した試算を参考に、ご自身の目的や予算に合わせて、最適な学習計画を立ててみてください。​無理のない範囲で計画的に進めることが、資格取得への近道となります。