FP2級と3級の「明確な」違いとは? | 受験資格から難易度、試験内容まで徹底比較

FP2級と3級の「明確な」違いとは? 受検資格から難易度、試験内容まで徹底比較

ファイナンシャルプランナー(FP)2級と3級には明確な違いがあります。既にFP3級を合格し、これから2級の受験を考えている人や、これからFP試験の受験を考えている人も本記事を読んでその違いについて理解を深めてもらえたらと思います。

なお、FPのライトではFP3級の合格を最短・低価格で目指せるコンテンツをご提供しています。業界内でも非常に低価格の2,980円でテキストと演習問題がセットになっており、さらに不明点を回数無制限で質問できます。

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この記事の著者

FPのライト専任講師 ゆーさく

・元市役所職員
・公務員在職時にファイナンシャル・プランニング(FP)技能士を取得
・現在は、FPのライト専任講師を務めるほか、日本FP協会支部活動にも参加し、地域独自のFPの普及活動を行う。
(AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士)

FP2級とFP3級の違い

FP2級と3級は合格率や出題範囲などのイメージしやすい部分の違いはもちろんのこと、受験資格や料金など、細かい部分で違いがたくさんあります。

この記事では次の6つを比較して解説します。

  • 受験資格
  • 合格率
  • 試験範囲
  • 出題形式
  • 試験時間
  • 受験料

FP2級と3級の受験資格

まず、受験資格についてです。FP2級と3級は受験資格が異なります。

FP3級FP業務に従事している者または従事しようとしている者
FP2級以下のうち、1つ以上を満たす場合
・3級FP技能検定の合格者
・FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
・日本FP協会認定のAFP認定研修修了者
・金融渉外技能審査3級(旧審査試験)の合格者

参考:日本FP協会 「2級・3級FP技能検定 試験要綱」

FP3級は、FP業務(相談業務やコンサル業務など)に従事している人はもちろんのこと、従事しようとしている者が受験資格にあります。

ただし、申込時に職歴や就職状況などを聞かれるわけではないため、仮にFP業務に従事する予定が無くても受験は可能、つまりFP3級は誰でも受けることができるということです。

一方で、FP2級についてはFP3級や金融渉外技能審査3級(=FP試験の前身)に合格している人や、FP業務に2年以上の実務経験を持つ人、AFP認定研修を修了している人が対象になります。

AFP認定研修について

AFP認定研修のコース一覧
出所:日本FP協会「3つのコース(基本課程・技能士課程・税理士課程)」

AFP認定研修とは、AFPと呼ばれる認定資格の要件の1つで、「基本課程」「技能士過程」「税理士課程」の3つが用意されています。その中で、FP3級を持っていない人がいきなり2級から受験する場合は基本課程を修了する必要があります。

しかし、FP業務に従事していない人が2級を受ける場合は、先にFP3級を取得することを推奨いたします。

その理由は、料金が高いからです。FP3級の受験料と基本課程の料金を比較してみましょう。

FP3級の受験料学科試験+実技試験 計8,000円
基本課程の料金最安値22,000円~

参考:AFP認定研修の検索より著者が検索

基本課程は登録されているカリキュラムから1つを選択し受講することになりますが、最安で22,000円の料金が掛かります。

一方、FP3級の受験料は8,000円のため、3級を取得する方が効率的・経済的です。

たしかに、要件を満たせばいきなりFP2級から受験することが可能です。「3級を取得するのが面倒だから2級から受けたい」という人は基本課程を修了する方法も手段の1つです。

しかし、お金や取得ハードルなどを考えると、FP業務の実務経験が無い方は3級の受験・取得がおすすめです。

FP2級と3級の合格率

次に合格率です。これは何となく想像がつくかもしれませんが、FP2級と3級の合格率が異なります。

FP3級

線をクリックすると合格率が表示されます。

FP2級

FP試験はFP協会と金財の2つの試験団体がありますが、FP3級の合格率はおよそ8割、FP2級の合格率はおよそ4割~6割で推移しています。

FP2級と3級の試験範囲

FP3級は主に個人資産に関する基本的な問題を中心に出題されますが、FP2級はそれに加えて法人関係の問題が出題されるようになります。

試験科目FP3級FP2級
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FP2級と3級の出題形式

FP2級と3級の出題形式も異なります。FP3級は正誤問題と3択問題で構成されていますが、2級になると学科試験で全問4択になるほか、金財では実技試験の一部で記述問題が出題されます。

3級2級
学科試験正誤問題、3択問題4択問題
実技試験3択問題4択問題、記述式

FP2級と3級の試験時間

FP2級と3級の試験時間も異なり、試験時間は以下の通りです。

FP3級学科90分、実技60分
FP2級学科120分、実技90分

※2024年4月から、FP3級学科試験の試験時間が従来の120分から90分に短縮されました。

FP2級と3級の受験料

FP23級は受験料が異なります。

FP3級学科4,000円、実技4,000円
FP2級学科5,700円、実技6,000円

学科試験と実技試験の両方に合格することでFP資格を取得できるため、3級は8,000円、2級は11,700円が必ず掛かります。

また、資格取得には受験料だけでなく書籍代も掛かります。別の記事でFP資格を取得するために必要な金額を算出しておりますので、合わせてお読みください。

注意事項

ここまで読んでいただき、FP2級と3級に興味を持っていただければ幸いですが、受験にあたっていくつか注意点があります。

FP2級と3級は併願できない

FP2級に受験資格が付されている関係上、FP2級とFP3級の併願はできません。3級を持っていない人が2級を受ける場合は、まず3級を取得する必要があります。

また、2024年4月からFP3級がCBT方式に移行し、2025年4月から2級がCBT方式に移行し通年受験が可能になりました。しかし、合否がその場で発表されるわけではなくタイムラグがある点に留意しましょう。

【2025年度】FP試験の合格発表日

試験日合格発表日法令基準日合格点
2025年4月1日~4月30日5月19日2024年4月1日

学科36点(60点満点)
FP協会実技:60点(100点満点)
金財実技:30点(50点満点)

2025年5月1日~5月24日6月16日
2025年6月1日~6月30日7月15日2025年4月1日
2025年7月1日~7月31日8月18日
2025年8月1日~8月31日9月16日
2025年9月1日~9月30日10月16日
2025年10月1日~10月31日11月18日
2025年11月1日~11月30日12月15日
2025年12月1日~12月28日1月19日
2026年1月6日~1月31日2月17日
2026年2月1日~2月28日3月16日

学科試験と実技試験の両方に合格しなければならない

FP試験は学科試験と実技試験に分かれており、両方合格してはじめてFP技能士の資格を取得することができます。もし学科と実技のどちらか一方しか合格できなかった場合は、一部合格として次回の試験が免除されます。

 ただし、一部合格には合格年度の翌々年度末までの有効期限があるため、すぐに受験しましょう!

たとえば、2025年8月に学科試験のみ合格した場合は2028年3月31日まで有効です。
ただし、3月は受験できないため、実質2月末までが期限になります!

試験会場に電卓を持ち込むことができない

CBT方式への移行により、試験会場に電卓を持ち込むことができなくなりました。

計算が必要な時はパソコンに内蔵されている電卓機能を使用することになりますので、あらかじめご注意ください。

できればパソコンの電卓機能に慣れておくと良いですが、操作方法はシンプルなので、安心して試験に臨んでください!

まとめ

FP2級と3級は、受験資格や合格率、問われる内容に大きな違いがあることがお分かりいただけたと思います。どちらを受験すべきか迷ったときは、現在の知識レベルや目的を基準に判断することが大切です。

まずは3級で基礎を固めてから2級に進むルートが一般的ですが、条件が合えばいきなり2級を目指すのも一つの選択肢です。自分に合った学習プランで、無理なくステップアップを目指していきましょう。

また、これからFP3級の受験を考えている方は、FPのライトの通信講座で最短ルートで合格を目指しましょう!