FP(ファイナンシャルプランナー)3級に合格するために参考書はいらないのでは?と感じている方も多いのではないでしょうか。
実際、FP3級は独学でも十分合格可能な入門資格として位置づけられており、合格率はおよそ7割~8割と取得しやすい資格と言えます。
そのため、FP3級取得を目的とするなら市販の参考書を買わずに無料動画講義や過去問演習だけで合格したいという考えもあると思います。
そこで本記事では、「FP3級の学習に参考書は不要か?」というテーマについて、参考書を使わない場合と使う場合のそれぞれのポイントを解説します。
目次
FP3級に参考書が不要と言われる理由

まず、なぜ「FP3級は参考書がなくても合格できる」と言われるのかを見ていきましょう。その背景には、試験難易度と独学環境が関係しています。
FP3級は出題範囲こそ広いものの、合格ラインは6割と比較的易しく設定されています。また学科試験は〇×式と三択問題のみで、言葉を選ばずに言うと勘でも点数が取れてしまう形式です。
そのため、「満点を狙わず6割得点できればOK」と割り切れば、重要頻出分野の学習と過去問演習に絞っても合格できる可能性が高いのです。
さらにFP3級試験は、日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)が過去問を公開しており、無料で入手可能です。また、YouTubeにも動画講義が多数アップされており独学者をサポートする環境が整っています。
例えば筆者はFP3級を取得した2019年当時、「お金の寺子屋」の動画を活用しました。こうした手軽でわかりやすい動画講義のおかげで、参考書なしでも知識のインプットができてしまいます。
以上のような理由から、「FP3級は参考書を買わずとも独学で合格可能」と言われるわけです。
参考書を使わない場合のメリット・デメリット

FP3級の学習で参考書を使わない場合のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
参考書を使わずに独学するメリット
参考書を買わずに、無料動画や過去問だけで独学するメリットには大きく次の2点があります。
- コストを大幅に抑えられる
- 自分に合った方法を自由に選択できる
コストを大幅に抑えられる
参考書を買わずにFP3級を勉強する場合、当然ながら教材費はかかりません。YouTubeの無料講義やネット上の過去問サイト(例:「FP過去問道場」)を使えばタダで勉強できます。
市販のテキストや問題集をセットで購入すると最低でも3,000円は掛かります。このような出費を抑えられるのは大きな利点です。
ちなみに、FPのライトではFP資格ごとに取得までに掛かる費用を算出した記事を公開しています。受験料やテキスト代など、一般的にFP資格を取得するまでに掛かる費用を細かく紹介しています。資格取得のコスト感を詳しく知りたい方は合わせてお読みください。
自分に合った方法を自由に選択できる
動画講義や過去問演習など、自分に合った方法を柔軟に組み合わせられるのも独学の強みです。テキストを読むのが苦手な人は動画中心、読むのが平気な人はダウンロード資料や無料教材中心など、自分の得意な勉強スタイルで進められるメリットがあります。
参考書を使わずに独学するデメリット
一方で、参考書を使わずにFP3級を勉強する場合、注意すべきデメリットも存在します。この記事では以下の3つをご紹介します。
- わからないところを自分で調べる必要がある
- 体系的な理解が得られにくい
- 法改正の情報収集をしなければならない
わからないところを自分で調べる必要がある
参考書を使わずに学習する際、わからないところを自分で調べる必要があります。これは参考書を使った場合も同様ではありますが、参考書を使わない場合は特に調べる際のハードルが高いと考えられます。
体系的な理解が得られにくい
参考書を使わないと、点在する知識を「穴埋め」的に詰め込む勉強になりがちです。動画や過去問解説で断片的に学ぶだけでは、「なぜその制度があるのか」「全体の中でその知識がどう位置づけられるか」といった体系的な理解が深まりにくい側面があります。
特にFPが扱う6分野は相互に関連するテーマも多いので、全体像を掴まないまま暗記に走ると知識が定着しづらいでしょう。
法改正の情報収集をしなければならない
FP試験は税制や制度改正により数値や内容が毎年更新されます。使用する動画講義や過去問によっては古い情報のまま更新がされていないケースも散見されます。
古い動画で内容が何年も前のものもあり、それで勉強すると間違った金額などの数値を覚えてしまう可能性があります。
【令和7年度の改正内容(抜粋)】
・自己都合退職者の雇用保険基本手当の給付制限期間が2ヵ月から1ヵ月に短縮
・高年齢雇用継続給付の受給率が最大15%から10%に引き下げ
・所得税の基礎控除額が改正
・在職老齢年金の支給停止調整額が50万円から51万円に変更 など
参考書がない場合、このような制度改正情報を収集する際に苦労する場合があります。
以上のように、参考書を使わない独学法は費用の節約にはなる反面、情報の正確性や知識の網羅性に課題があります。非効率な勉強方法になってしまい、結果的に無駄に時間がかかってしまう恐れもあります。
参考書を活用するメリット・デメリット

では、FP3級の学習で参考書を使う場合のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
参考書を使うメリット
参考書(テキスト)を購入して学習するメリットとして、次の4点があります。
- 最新の情報を網羅できる
- 体系立てて理解を深められる
- 知識の抜け漏れが少ない
- 日常生活や仕事への応用力が身につく
最新の情報を網羅できる
市販のFP3級テキストは毎年改訂されており、最新の法改正や制度変更を反映しています。古い情報のまま勉強して誤答するリスクを避け、常にアップデートされた知識を習得できるのは参考書最大の強みです。
体系立てて理解を深められる
参考書はFPの広範な知識を章立て・項目立てで体系的に解説しています。独学で闇雲に学ぶよりも、「まず公的制度全体の基礎 → 次に年金制度 → …」というように順序立てて学べるため、知識同士の関連性や全体像が掴みやすいです。
特に初学者の方には、テキストを一通り読むことでFP分野の全体像をつかめるメリットがあります。(最初から細部まで暗記する必要はなく、ざっと通読して全貌を把握するだけでも効果的です。)
ちなみにFPのライトの3級講座は他の書籍と違い、タックスプランニングを前半で学習するカリキュラムを組んでいます。
タックスプランニングの知識はリスク管理や金融資産運用などで必要となる場面が多く、前半で学習することでその後の学習がよりスムーズになることが理由です。
参考書や教材ごとに特徴は様々ありますが、いずれも体系立てて理解しやすいような設計であることに変わりありません。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
- ライフプランニングと資金計画
- タックスプランニング
- リスク管理
- 金融資産運用
- 不動産
- 相続・事業承継
知識の抜け漏れが少ない
参考書には試験範囲のトピックが網羅的に載っているため、独学で起こりがちな「そこはノーマークだった…」という漏れを防ぎやすくなります。
頻出度の低い論点であっても、一通り目を通しておけば聞いたこともない問題が出るリスクを下げられるでしょう。試験範囲を網羅している点で参考書には安心感があります。
(参考書や教材によっては「必要な知識」と「そうでない知識」とを明確に分けている教材もあり、FPのライトの教材も出題頻度ごとにメリハリをつけて作成しています。)
日常生活や仕事への応用力が身につく
FP3級で学ぶお金の知識は、日常生活やキャリア形成にも直結する実用的な内容です。例えば保険の仕組みを知れば保障の見直しができますし、年金や税制を理解すればライフプランの計画に役立ちます。
参考書にはコラムや具体例も多く、ケーススタディを含めて解説しているものもあります。「なぜそうなるのか」を含めて深く理解できるため、試験勉強で得た知識を自分や家族の生活に活かしやすいでしょう。
実は私も、公務員時代はお金に関する知識が不足していたため、不必要な保険に加入してしまった経験があります。この経験をきっかけに、お金の管理やマネーリテラシーを身につけたいと考え、2019年にFP3級を取得しました。
中には「FP3級は意味ない」「FP3級を就職や転職の履歴書に書くことは恥ずかしい」という意見もありますが、様々な知識を学ぶことができるFP3級は有益な資格ですので、そのような意見に流されず、日々の学習に自信を持ちましょう!
参考:【本音で回答】FP3級を履歴書に書くことは恥ずかしいのか
参考書を使うデメリット
もちろん、参考書で勉強する方法にも注意点はあります。
- コストが掛かる
- 学習に時間がかかる
- 挫折しやすいケースもある
コストが掛かる
当然ながら参考書や問題集はお金が掛かります。FP3級向けのテキストは1冊1,600円~1,800円程度が多く、さらに問題集も同じくらいの価格で販売されているためテキストと問題集を両方揃えると約3,200円の出費になります。加えて過去問解説などを買いそろえると5,000円を超える場合があるため、できるだけ費用を抑えたい方にはデメリットに感じるでしょう。
参考:FP資格の取得費用まとめ|教材・受験料・講座代をすべて公開
学習に時間がかかる
参考書は情報量が非常に多く、全ページを読み切るには相応の時間と集中力が求められます。「膨大な知識が脈絡なく登場し、頭に入りにくい」「丸暗記してもすぐ忘れてしまう」という声も多く、闇雲に通読するのは効率的とは言えません。
限られた時間で合格点を狙うには、参考書を読むことだけに満足せず、問題演習と組み合わせた計画的な学習が欠かせません。
挫折しやすいケースもある
活字を読む習慣がない人にとって、分厚い参考書はそれだけで心理的なハードルになります。「堅苦しくて続かない」という声も多く、序盤で飛ばしすぎて途中で手が止まってしまうケースも少なくありません。
さらに、参考書によっては専門用語が多かったり文章が硬かったりして、初心者には理解しづらい内容もあります。自分に合わない一冊を選んでしまうと、「やっぱり難しくて無理だ…」と途中で諦める原因になりかねません。
参考書を使う場合は、図解や平易な説明が多い初心者向けのものを選び、計画的に少しずつ読み進めるなど、続けられる工夫が大切です。
FPのライトのテキストは全ページフルカラーで、図解やイラストを豊富に使用しています。説明文もポイントを押さえて簡潔にまとめているため、これからFP3級を学び始める方でも無理なく学習を続けられます。

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FP3級の参考書まとめ

FP3級を「資格を取ること」だけが目的であれば、参考書を使わずに動画講義+過去問演習だけでも十分に合格できます。
一方で、FP2級以上の取得やFPの知識を日常生活や仕事に役立てる目的で学びたい場合は、最新情報を効率よく吸収できる参考書を使って学習することをおすすめします。参考書を使えば制度変更などにも対応しやすく、より実践的な知識を身につけやすくなります。
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